読者へ
「すべての面で苛酷な現実の中でも精神のバランスを失わないで生きていくのは、苛酷な現実とは離れた自分一人の世界をつくり出せるかどうかにかかっている。」
とは、敬愛する塩野七生氏が残した言葉であり、この言葉に出会った頃から私にとって「メタル」ミュージックが持つ色や音や景色が変わってきたように思う。
人間は、その歴史の中で苛酷な現実から離れた自分一人の世界をつくり出すために、哲学や信仰といった術を見いだしてきたのであろう。そして、芸術もその一つとして数えられてしかるべきだ。
中でも「メタル」は精神の安定を保つための「自分一人の世界」に私を瞬時に連れて行ってくれるジャンルなのだ。
ヘヴィ・メタル、ハードロック、そしてその配下にある様々なサブジャンルなど、「メタル」の取り巻きには、様々な言葉があるのだが、このブログでは私がカッコイイと感じるこの手の音楽を「メタル」という一言で表現していくのでまずはご容赦頂きたい。
さて、このブログ最初の投稿として、このブログを残そうと決意するに至った背景についてお伝えしたいと思う。
タイトル通り、今後私が名盤と感じる200枚をご紹介していくのだが、いわゆる音楽レビューではないことをまず最初にお断りしておく。私が書き残したいのは、「その名盤がいかに名盤であるか」ということではなく、「その名盤がいかに私の人生に影響を与えたか」ということだからだ。
私の人生において、それぞれの節目には、必ずメタルが身近にあり強い影響を与えてくれた。それが何だったのかを書き記していきたいと思う。
仕事においては、エンジニア的アプローチ、つまり論理的思考に基づくアプローチが生命線となる私であるが、それは非論理的なアプローチを持っていて初めて武器となりうるものだと認識している。塩野氏の言葉を借りれば、「アンバランスのバランス」となる。私がこの危ういアンバランスさを保つ上で、メタルは計り知れない役割を果たしているのだ。
そして、このブログ執筆というライフワークは、父から引き継いだ自動車ディーラー業という事業を次世代に引き継いだ時に、いわゆる「アナログデビュー」をして始めようと温めていたアイデアである。そのため、2035年前後のスタートになるものとある意味気軽に構えていた。
様々なご縁があり、2024年9月をもってその事業をバトンタッチすることができた。その後、念願のアナログデビューを果たすことができた。CDやデジタル音源とは違った温かさ。大きなアルバムジャケットが放つ存在感。そして何より、心を落ち着け針を落とすという贅沢な時間。これらの全てが、執筆をスタートさせようという気持ちを後押ししてくれた。
1枚目をご紹介する前に、このブログの基本ルールをご紹介したい。
・題材とするアルバムは、私が購入したものに限る
・CD で散々聴き込み、個人的に「名盤」と認識しているアルバムをレコード版で再購入する
・購入には原則として通販は利用せず、レコード店で「名盤」と出会うことを大切にする
・アルバムが音楽的に「名盤」であること以上に、私の人生に影響を与えた「名盤」であることを重視する
・その結果として、強い影響を与えた「名曲」が収録されているがゆえの選出となる可能性がある。
このような基本ルールを遵守すると、当然の帰結として「このアルバム紹介したいけど、CDしか持っていない」とか、「好きなバンドの作品が多く紹介される」といった事実に直面することと思う。
苛酷な現実において精神のバランスを保つ上で、数多くの名盤や名曲達が私にどう作用したのかを振り返ることが目的なので、そこはご容赦頂きたいと思う。
このブログを書く上で、私の言葉を支える三つの土台をご紹介しておきたい。
まずは、フレームワーク的な視点について。ブログの目的に「振り返り」が含まれる以上、経営品質向上プログラムのフレームワークは強い影響を与えることと思う。200枚を紹介する過程の中で、折に触れてご紹介していきたい。
次に、エンジニア的な視点について。社会人としての人生のほぼ全ての時間を Claris FileMaker プラットフォームと共に過ごしてきた。「名盤」を聴きながら FileMaker での開発を行うという時間を数多く過ごしてきた。そこには BGM を超えた繋がりがある。これも名盤と共にお伝えしていきたい。
最後に、言葉の選択という意味では最も強い影響を与えているのが、「ローマ人の物語」と筆頭とする塩野七生氏による著作群である。塩野氏の作品に流れる「歴史を通して人の生き方を問い、描く」というスタイルが私の文学作品に求めるスタンスと合致するのであろう。今もなお、人生の愛読書として精読を続けている。恐らく、この作品からの引用も数多く登場するに違いない。
また、題材としたアルバムが世の中でどのように評価されているのかを知るために、AIも一つの資料として活用していきたい。
レコードを繰り返し聴き直し、当時の記憶と記録を探ることからの作業になるため、更新は月に1〜2回程度になることが予想される。気長にお付き合い頂ければありがたい。 さて、1枚目を何にしようかしら。
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